今回はアスペクトシリーズ「経験」です。英語で言うところの”have / has+過去分詞”です。「行ったことがある」「見たことがある」のように、何かを経験したことがあることの中国語での表し方を解説します。
大前提として、経験の表現は「経験した=過去の出来事」となることを覚えておきましょう!
語順
普通文
有+動詞+過〜
wǒ yǒu láiguò zhèlǐ
我有來過這裡
ここに来たことがある
「有〜過」で「〜したことがある」という表現になります。 つまり「過去に〜した経験がある」ということを言う場合に使います。なぜ「有」が付くのかを後ほど説明します。
有+動詞+過〜数量
wǒ yǒu qùguò táiwān yīcì
我有去過台灣一次
台湾に1度行ったことがあります
回数などの数量を入れたい場合は目的語の後に持ってきます。ここでは「台灣」が目的語なので、その後に回数「一次」を加えます。

wǒmen yǒu jiànguò yīcì miàn
我們有見過一次面
私たちは1度会ったことがある



wǒ yǒu jiànguò tā hěnduō cì
我有見過他很多次
彼に何度か会ったことがある



wǒ céngjīng yǒu zhùguò měiguó sān nián
我曾經有住過美國三年
前にアメリカに住んだことがある



wǒ zhǐyǒu qùguò měiguó yīcì
我只有去過美國一次
1度だけアメリカに行ったことがある
曾經(céngjīng/ㄘㄥˊㄐㄧㄥ)・・・前に、かつて
以前(yǐqián/ㄧˇㄑㄧㄢˊ)・・・前は、以前は
剛才(gāngcái/ㄍㄤㄘㄞˊ)・・・さっき、ちょっと前に
從來(cónglái/ㄘㄨㄥˊㄌㄞˊ)・・・今まで、これまで
還沒(háiméi/ㄏㄞˊㄇㄟˊ)・・・まだ~ない
否定文
「~した経験がない」ことを表すには否定副詞の「沒(有)」を動詞の前に置きます。「経験=過去の出来事」の否定なので、否定副詞の「不」は使えません。
沒(有)+動詞+過〜
wǒ méiyǒu tīngguò zhèshǒu gē
我沒有聽過這首歌
この曲を聴いたことがない
wǒ cónglái méiyǒu dāguò fēijī
我從來沒有搭過飛機
今まで飛行機に乗ったことがない
wǒ hái méi qùguò táiwān
我還沒去過台灣
まだ台湾に行ったことがない
疑問文
嗎を使った疑問文
有+動詞+過~嗎?
nǐ yǒu qùguò táiwān ma?
你有去過台灣嗎?
台湾に行ったことがありますか?
「有沒有」を使った疑問文
有沒有+動詞+過~?
nǐ yǒu méiyǒu qùguò táiwān?
你有沒有去過台灣?
台湾に行ったことがありますか?
「沒有」を末尾につける疑問文
有+動詞+過~沒有?
nǐ qùguò táiwān, méiyǒu?
你去過台灣,沒有?
台湾に行ったことがありますか?
「有」は必要?
一般的な中国語テキストでは経験を表すのは「過」と書かれていると思います。この「有」の使い方は台湾華語の特徴かもしれません。台湾では経験を表現する場合「有〜過」になることが一般的です。
このアプリを使ったことがある
中国:我用过这个APP
台湾:我有用過這個APP
私の解釈では「したことがある」=「有る」なので「有」を入れるのかなと思っています。本当に台湾は「有」を使うことが多いですね〜。
ポイント
- 経験の表現は「経験した=過去の出来事」となる
- 経験を表現するとき、台湾華語では「有+過」の形になることが多い
- 「経験=過去の出来事」の否定なので、否定副詞の「不」は使えない
- 回数などの数量は目的語の後に持ってくる
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今回はここまで。謝謝,下次見 ☺