日常会話で「3回行ったことがある」「2年間勉強した」など、何かの動作をした回数や動作した時間を表すことがありますよね?さて中国語ではどう表現するのでしょうか。
動作の回数や経過した時間・持続した時間を表す数量詞は、動詞の後ろに置いてその補足説明をしていることから、2つ合わせて「数量補語」と呼ばれています。
今回は、動作の回数と経過時間、持続時間を表す「数量補語」について解説します。
よく使う動量詞
動作の回数を数える量詞を「動量詞」と言います。
動量詞 | ピンイン / 注音 | 日本語 |
---|---|---|
次 | cì / ㄘˋ | 一般的な動作の回数 ⇒一次(1回、1度) |
下 | xià / ㄒㄧㄚˋ | 短時間の動作の回数 ⇒一下(ちょっと) |
遍 | biàn / ㄅㄧㄢˋ | 初めから終わりまで通した一連の動作の回数 ⇒一遍(一通り) |
趟 | tàng / ㄊㄤˋ | 往復する動作の回数 ⇒一趟(1往復) |
頓 | dùn / ㄉㄨㄣˋ | 食事や説教など時間がかかる動作の回数 |
場 | chǎng / ㄔㄤˊ | 映画や芝居、試合など開催される催しの回数 |
動作の回数
動作の回数のことを「動量」と呼びます。
〜回…する/したことがある
動量は完了の「了」や経験の「過」と一緒に使うことが多いです。
① 動詞+動量+了
② 動詞+了/過+動量+(目的語)
③ 動詞+了/過+代名詞+動量
①の文型は目的語がない場合に使えます。
你應該睡一次了
あなたは1度寝るべきだよ
②の文型は目的語の有無関係なしで使えます。
你應該睡了一次
あなたは1度寝るべきだよ
他來了兩次
彼は2回来ました
我打了好幾通電話給你
なんどもあなたに電話しました
我坐過兩次飛機
2回飛行機に乗ったことがあります
③の文型は目的語が代名詞の場合に使います。
我沒有見過他一次
彼に1度も会ったことがない
a)目的語を前に置いて、目的語を強調させることができます。
目的語,主語+動詞+了/過+動量
這部電影,我看過兩次
この映画、私は2回観たことがある
b)目的語が「人名」「場所」の場合、動量の前後どちらに置いても成立します。
我有去過一次高雄
我有去過高雄一次
高雄に1度行ったことがある
ある期間内に〜回/時間…する
「毎日1時間散歩する」「1年に3回出張する」のような習慣になっている動作や恒例の行事の場合、次の構文で表現できます。
期間+動詞+動量/時量+(目的語)
期間+動詞+(目的語)+動量/時量
目的語の位置は動量/時量の前後どちらでも可です。

你每天睡多久?
毎日どれくらい寝ていますか?



每天都睡八個小時
毎日8時間寝ています
我每兩年去一次英國
2年に1回、イギリスに行きます
我每天都學中文一個小時
毎日1時間、中国語の勉強をします
動作の時間
動作の時間・期間のことを「時量」と呼びます。時量の表現は、大きく「経過時間」と「持続時間」の2つの表現に分かれます。
経過時間と持続時間の違い
経過時間・・・・・瞬間的に終わる動作を表す動詞が使われる
例:來(来る)、去(行く)、離開(離れる)、出生(生まれる)、死(死ぬ)etc
持続時間・・・・・一定時間持続する動作を表す動詞が使われる
例:住(住む・滞在する)、坐(座る)、站(立つ)、拿(持つ)、待(待つ) etc
〜してからN時間になる(経過時間)
瞬時に終わる動作をしてからの経過時間を表します。完了の「了」を使います。
動詞+(目的語)+時量+了



你住在這裡幾年了?
ここに住んで何年になりますか?



我住在這裡十年了
ここに住んで10年になります
我來日本一年多了
日本へ来て1年ちょっとになります
我認識他已經好幾年了
彼と出会ってもう何年にもなる
火車開走十五分鐘了
列車は出発して15分経った
N時間〜した(持続した動作の時間)
使われる動詞は持続性がある動詞です。つまり、アスペクト「著」をつけられる動詞になります。持続時間は、完了の「了」や経験の「過」と一緒に使うことが多いです。
動作を現時点ではしていない場合
① 動詞+時量+了
② 動詞+了/過+(目的語)+時量
③ 動詞+了/過+時量+(的)+目的語
④ (動詞)+目的語+動詞+了/過+時量
⑤ 目的語,主語+動詞+了/過+時量



你在這裡等了多久?・・・②
どのくらいここで待ちましたか?



我等了一個多小時・・・②
1時間ちょっと待ちました ⇒ 今は待っていない
①の文型は目的語が入らない場合のみ使えます。
我今天睡八個小時了
今日は8時間寝た
②の文型は目的語の有無関係なしで使えます。
我今天睡了八個小時
今日は8時間寝た
我在英國住過三年
イギリスに3年間住んでいたことがある
我看了電視两個小時
テレビを2時間観た
動詞+了+代名詞+時量
我在咖啡店等了他一個多小時
私は喫茶店で彼を1時間ちょっと待った
③の文型は「時量+的+目的語」までが動詞の目的語となる構文で、「的」は省略可能です。
我學過三年的太極拳
私は太極拳を3年間学んだことがある
我昨天打了兩個小時(的)電玩
昨日2時間ゲームをした
④の文型は「動詞を2回繰り返す」構文で、1つ目の動詞は省略可能です。
她(打)電話打了一個小時左右
彼女は1時間くらい電話していた
⑤の文型は目的語を前に置いて、目的語を強調させています。
那本小說,我看了一天
その小説を1日で読んだ
動作を現時点まで続けている場合
上の文型の②〜⑤の語尾に語気助詞の「了」をつけると、動作が現時点まで続いている、その動作をこれからも続けることを表すことができます。
語尾に了がつかない・・・動作に費やした時間を表す
語尾に了がつく・・・・・過去から現在まで続く動作に費やしている時間を表す
我等了兩個小時
2時間待った
我等了兩個小時了
2時間待っている
⇒1つ目の了は「完了の了」で、2つ目の了が「語気助詞の了」です。



你在這裡工作了多久了?
ここでどのくらい働いてますか?



我工作了兩年了
2年働いています⇒ 今も働いている
我已經在這裡等了一個多小時了
私はここですでに1時間ちょっと待っている
我們已經等了你半小時了
私はあなたをもう30分も待っている
我看了三個小時的書了
私は本を3時間読んでいる
我們(打)網球打了三十分鐘了
私たちは30分テニスをしている
我們(坐)車坐了兩個小時了
僕たちは2時間車に乗っている
他已經吃了三碗飯了
彼はすでにご飯3杯食べている(まだ食べそう)
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