今回は、形容詞を使った文を解説します。中国語の形容詞も日本と同じように、「暑い・寒い」「楽しい・寂しい・美しい」など状態を表すものです。
文法的には、形容詞を使った文を「形容詞述語文」といいます。使う場面が多いはずですので、しっかり覚えておきましょう!
語順
形容詞述語文の語順です。
普通文
很(程度副詞)+ 形容詞
普通文は形容詞の前に必ず程度副詞を置きます。程度副詞を形容詞の前に置かないと、比較のニュアンスが含まれてしまいます。また、文章として言い切りになりません。
今天熱
今日は暑いけど…(昨日は涼しかった)
今天很熱
今日は暑い
「很」とその他の程度副詞については後ほど説明しますので、ここでは程度副詞と形容詞はセットであることだけ覚えてください。
你的中文很好
あなたの中国語は良いですね
今週末很緩和
今週末は暖かい
否定文
不 + 形容詞
否定文は、否定を意味する「不」を形容詞の前に入れます。形容詞文の否定では「沒(有)」を使いません。
今天不悶熱
今日は蒸し暑くない
天氣不好喔…
天気がよくないよ…
疑問文
① 形容詞 〜 嗎?
①の疑問文は末尾に「嗎」を付けます。「很」などの程度副詞はつけません。ただし、特に強調したい場合は「很」をつけることができます。
有開心嗎?
うれしいことあった?
很餓嗎?
すごいお腹が空いてますか?
現在你忙嗎?
今忙しい?
② 形容詞+不+形容詞?
②の疑問文は反復疑問文という形で、同じ形容詞の間に「不」を入れます。この「不」は軽く発音します。反復疑問文では「嗎」も「很」もつけません。
今週末冷不冷?
今週末は寒いですか?
你忙不忙?
忙しいでしょう?
ニュアンスとして「そうだろうな」と思いながら質問する場合、また、YESかNOで答えを聞きたい場合に使ったりします。
純粋に質問をしたい場合は①の「形容詞〜嗎?」の疑問文を使いましょう。
「很」は「とても」の意味?
中国語の形容詞述語文を勉強すると、例文の1つ目は必ず「很」が使われていると思います。
很(hěn / ㄏㄣˇ)
「とても」という程度を表す単語ですが、ここでの「很」は形容詞述語文を成立させるための形式的なものなので意味は削られます。ただし、「很」を強く発音すると「とても」という本来の意味となります。
「今日は忙しい」を中国語にしてみると、
- 今天忙
- 今天很忙
となります。
「とても」や「すごく」のような程度を表す場合は「很」以外の程度副詞を置きますが、この例では単純に形容詞の意味のみを伝えたいので、文を成立させるために「很」を形容詞の前に置きます。
この「很」は意味がないことからお飾りの「很」と呼ばれています。お飾りの「很」は軽く発音します。
程度副詞
程度を表す副詞を程度副詞には、例文で使用した「很」以外にもたくさんあります。以下は、使われる頻度が高い程度副詞をあつめました。
好(hǎo / ㄏㄠˇ)
とても
好開心!
とてもうれしい!
春天好舒服!
春はとても気持ちがいいなぁ!
你穿的衣服好漂亮~
あなたの服とてもきれいね~
非常(fēi cháng / ㄈㄟ ㄔㄤˊ)
非常に、すごく、とても
我記得非常清楚
とてもはっきりと覚えている
我媽媽年輕時候,非常漂亮
母は若いころすごい美人だった
太(tài / ㄊㄞˋ)
とても、すごく
天氣太好了
天気がとても良い
我聽不太清楚
よくわからない
以前這裡不太漂亮
以前ここはあまりきれいな所じゃなかった
真(zhēn / ㄓㄣ)
本当に
超(chāo / ㄔㄠ)
超…
超難過
超悲しい
特別(tè bié / ㄊㄜˋ ㄅㄧㄝˊ)
特に、特別…
我的貓咪特別可愛
私の猫は特別かわいい
最(zuì / ㄗㄨㄟˋ)
一番、最も
哪家咖啡廳的咖啡最好喝?
どこのカフェの珈琲が一番おいしい?
比較(bǐ jiào / ㄅㄧˇ ㄐㄧㄠˋ)
比較的
昨天比較凉爽
昨日は比較的涼しかった
形容詞述語文で過去のことを表す場合、〜したの意味の「了」はつけません。
過去を表す言葉を入れるだけでOKです。
まとめ
形容詞述語文は「状態」を表すことができます。次のことを覚えておきましょう!
- 副詞と形容詞はセットで使う
- お飾りの「很」は軽く発音
- 「とても〜」は「好」を使おう
- 疑問文に副詞は付けない